今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
本日のお題は「日本の住宅市場規模」です。
個人が購入する土地や建物に関連する市場規模とします。
賃貸経営のための住宅は含まないものとします。
それでは推定を行ってみます。
推定
推定の結論を先に示すと、日本の住宅市場の規模は、93兆円と推定されました。
今回は、住宅市場を大きく2つに分けて、かなりざっくり推定しました。
住宅市場 = 新規購入市場 + リフォーム市場
それぞれの詳細を見ていきます。
新規購入市場
日本の人口を1.2億人として、100歳までの10歳刻みの各年齢層に均等割りつけすると、
1つの年齢層(10歳)あたり1,200万人です。
家を購入する可能性があるのは20代~50代までとします。
20代の人口の内20%の人が家を購入すると考えます。
30代では、20代で家を購入していない80%の人口の内、20%の人が家を購入すると考えます。
40代から50代も同様に考えます。
各年代について家の購入人口を計算すると次のようになります。
20代:1200万人 × 20% = 240万人
30代:1200万人 × 80% × 20% = 192万人
40代:1200万人 × 80%^2 × 20% = 154万人
50代:1200万人 × 80%^3 × 20% = 123万人
すべての世代の合計は、約700万人となります。
このうちの90%の人が夫婦である仮定すると、
夫婦による家購入:315万戸 (630万人分)
独身による家購入:70万戸 (70万人分)
となり、年間の家の販売戸数は385万戸となります。
中古での家購入があることを考慮し、夫婦で購入する家の平均価格を2500万円、独身で購入する家の平均価格を1500万円とすると、
新規購入市場 = 315万戸 × 2500万円 + 70万戸 × 1500万円 = 90兆円
となり、家の新規購入市場の規模は、90兆円と推定されました。
リフォーム市場
各年代で既に家を購入した人たちがリフォーム市場の顧客となります。
20代から50代までの各4世代で毎年385万戸の家が新規購入されると推定しました。
これは、個人が購入する家が概ね1500万戸あることを意味します。
即ち、1500万戸がリフォーム市場の対象顧客です。
このうち毎年10%の家が200万円規模のリフォームをすると仮定すると、
リフォーム市場 = 150万戸 × 200万円 = 3兆円
となり、家のリフォーム市場の規模は、3兆円と推定されました。
合計
今回の推定において、住宅の市場規模は93兆円と推定されました。
住宅市場 = 新規購入市場 + リフォーム市場 = 90兆円 + 3兆円 = 93兆円
答え合わせ
最後に、答え合わせをしてみます。
まず、2016年の新設住宅着工戸数は、96万戸のようです。ここには貸家が40万戸ほど含まれるため、戸建/分譲マンションは約55万戸となります。
中古住宅の販売戸数を探しても出てこないのですが、首都圏のマンションのみで3万戸という事なので、全国の戸建とマンションで10万戸程度と考えてみます。
つまり、自分が住むために購入する新規住宅は、年間70万戸に満たないという事です。
こちらでの推定では385万戸だったので、実態は5分の1程度の販売戸数となります。
即ち、市場規模も18兆円前後になるのではないか?と思われます。
今回の推定は考え方としては合っていると思うのですが、大きく前提を間違えたようです。
家を購入していない人口の20%が、家を購入する仮定にしてしまった事が大きく間違っていたようです。
実際には、家を購入していない人口の内、5%の人たち新規で家を購入するくらいの規模感です。
自分の感覚で思っていたよりも、かなり少ない印象です。
家の耐用年数も上がっていたり、
人口が減ったり、
サラリーマンにお金が流れにくい状態だったり、と、
住宅の着工件数が増える見込みが薄いので、住宅業界は厳しそうに感じられました。
これまで行った推定結果に興味のある方はこちらからどうぞ
コメント