ギターの市場規模は?_推定36

フェルミ推定

今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
本日のお題は、日本における「ギターの市場規模」です。

 

少し前にギターの大手ブランドのギブソンが破産したというニュースが流れていました。
私は中高生の頃はビジュアル系バンドが流行っており、ギターを購入している友人もちらほらいました。私自身はやらなかったのですが、ギブソンという響きはなんとなく聞き覚えがあり懐かしく感じました。
オンラインで音楽が聴けたり、アプリで作曲や演奏ができたり、音楽が大量生産/大量消費されていく状況に置かれていて、音楽に費やされる金額が下がっているように感じています。

音楽業界全体が厳しい状況に置かれていると思いますが、その中でもギター業界がどんなイメージなのかを考えてみたいと思います。

それでは推定を行います。

 

スポンサーリンク

推定

今回は、次のような順序で推定を行いました。

①ギター人口の推定
②ギター本数の推定 (ギター人口 × 購入頻度)
③ギター市場規模の推定 (ギター本数 × 平均単価)

先に結果を示すと、日本のギターの市場規模は約450億円と推定されました。

ギターの市場規模を見積もるに当たっては、ギター人口を年齢層と性別で分けてまとめておき、それぞれのセグメントの特性を考慮すれば良いと考えました。

推定手順は次の通りです。

①ギター人口の推定

日本の人口を1.26億人として、人口ピラミッドに合わせた年齢層別人口を用意します。
男性と女性の比率は半々だとします。

ギター人口は男性のほうが多いと思われるので、男性を基準に考えていきます。
まず、男性のギター所有率を考えます。
ギターを最も所有している年代は10-19歳の年齢層だと考え、その比率を15%としました。40人クラスで男性20人だった場合、3人くらいがギターを持っているイメージです。
それ以外の年齢層は基本的にはその割合より低くなるはずだと考え、上記表のような比率を割り当てました。
各年齢層の人口に対して、ギター所有率をかけると、男性のギター人口は約310万人と推定されました。

女性については、男性の3分の1程度のギター所有率であると考え、約100万人のギター人口であると推定しました。

したがって、日本におけるギター人口は、約410万人と推定されました。

②ギター本数の推定

ギター本数は、「ギター人口 × 購入頻度」で求められます。

購入頻度が最も高い年代は10-19歳で3年に1本のギターを購入する頻度としました。
イメージとしては、「中学入学で1本、高校入学で1本、大学入学で1本」のような感じです。
それ以外の年齢層については購入頻度をざっくりと下げています。
なお、男性も女性も同程度の購入頻度としました。

それぞれのセグメント人口に購入頻度をかけて合計すると、日本における年間ギター販売本数は約76万本と推定されました。

③ギター市場規模の推定

ギター市場規模は、「ギター本数 × 平均単価」で求められます。

平均単価についてもギター人口が最も多いと思われる10-19歳を50,000円/本としました。
これについては完全にイメージですが、安いギターで20,000円、高いギターで200,000円くらいだと想定し、平均は少し安めよりの50,000円とした感じです。
平均単価も男性と女性は同程度としました。

それぞれのセグメントにおけるギター本数に平均単価をかけて合計すると、日本におけるギター市場規模は約450億円と推定されました。

答え合わせ

最後に答え合わせをしてみます。

国内のギターに特化した調査結果がなかったので使えそうな資料を引用します。

日本の楽器市場の推定規模

2013年:約1,000億円

世界の楽器市場の推定規模

2013年:約11,000億円
うち、ギター&ドラム:2,400億円

(YAMAHA 楽器市場の成長を目指して 2010年11月26日 より)

世界の楽器市場のうち、ギター&ドラムの金額2,400億円ですが、仮にギターがそのうちの70%を占めていると仮定すると約1,700億円となります。
つまり、世界の楽器市場に占めるギター市場規模は約15%(1,700億円÷1.1兆円)となります。

このギター市場規模比率を日本の楽器市場規模にかけると約150億円となります。
※この150億円が本当に適切かどうかはわかりませんが、適切だとして話を進めます。

こちらの推定結果では約450億円だったので、結果としては3倍程度に見積もった事になります。

あるブログによりますと、ギターの販売数は30万本程度のようです。
こちらでの推定結果は約76万本の推定結果だったたので、ギター人口の見積もりか購入頻度の見積もりが多めになったのではないかと思います。

とはいえ、大まかな規模とイメージについては合っていたのではないかと思います。
若者が減ったり、若者の音楽に対する興味が薄れていくとやはり厳しい状況がくるのではないかと思われる市場構造なのだと感じました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました