今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
お題は「日本の漁師の数」です。
前回は魚介類の市場規模について推定し、答え合わせの中で国内生産量がありました。
今回はその数字をもとにざっと推定をしてみます。
推定
推定の結論を先に示すと、日本の漁師の数は、36万人と推定されました。
推定は、下記の関係を用います。
日本の漁師の数 = (日本の漁師の売上高 – 経費) ÷ 漁師の年収
では、それぞれの結果を確認していきます。
日本の漁師の売上高
水産庁のデータで国内生産量は429万トンとありました。
その値に日本の漁師の売上単価を掛ければ、漁師の売上高になります。
まず、日本の漁師の売上単価を計算します。
消費者が購入する際の生鮮魚介の平均単価は、136円/100gでした。
消費者が購入するまでには、漁協・小売店と少なくとも2つの業者を介します。
干物のような加工業者も入っている場合もあります。
つまり、
136円/100gという単価の中には、小売店の経費&利益、漁協の経費&利益が入っています。
それぞれの経費&利益を除いた額を原価とします。
小売店の原価率を70%と仮定すると、
漁協の売上単価 = 136[円/100g] × 70% = 95[円/100g]
漁協の原価率を70%と仮定すると、
漁師の売上単価 = 95[円/100g] × 70% = 67[円/100g]
実際には加工業者を介する商品もあるので10%ほど売上単価を下げます。
漁師の売上単価 = 67[円/100g] × 90% = 60[円/100g]
日本の漁師の売上単価は、60円/100gと仮定しました。
従って、日本の漁師の売上高は
429万[トン] × 1000[kg/トン] × 600[円/kg] = 2.6兆円
と推定されます。
日本の漁師の数
売上から差し引く経費としては、船代や燃料代や網代などがあります。
それらは売上に対して30%程度だと仮定します。
また、漁師の平均年収を500万円とします。
日本の漁師の数 = (日本の漁師の売上高 – 経費) ÷ 漁師の年収
という計算式に当てはめてみます。
日本の漁師の数 = 2.6[兆円] × 70% ÷ 500[万円] = 364,000[人]
よって、日本の漁師の数は約36万人と推定されました。
答え合わせ
最後に答え合わせをしてみます。
農林水産省の「漁業労働力に関する統計」によりますと、
2013年の漁業就業者数は18.1万人
のようです。
私の推定では36万人でしたので、実際は約半分のようです。
漁師の平均年収を調べてみても500万円前後でした。
従って、今回の推定の前提は、2つの可能性がありそうです。
・漁師の売上高を実際より大きく見積もった可能性
・経費を実際より小さく見積もった可能性
詳細は業界の中の人にしかわかりませんが、
外から見てもそれなりの精度で実態を捉えられていそうです。
これまで行った推定結果に興味のある方はこちらからどうぞ
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