今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
今日のお題は、「日本の電車の車両数」です。※貨物列車等は除く。
推定
推定のための仮定を考えていきます。
電車の数が通勤/通学ラッシュ時の人口移動量をまかなえるくらいだと仮定して車両数を推定してみます。
まずは、1車両あたりの乗客キャパです。自分で利用している電車のイメージでは、短手方向(片側ドアと反対ドアの方向)には、満員電車時で7人分くらいの長さがあります。長手方向には、60人分(15人席×3つ分とドア部付近5人分×3つ分)くらいの長さがあります。単純に計算した場合には、1車両あたりの満員での乗客キャパは7×60=420人となります。
仮に都市部と地方都市での通勤ラッシュ時の平均乗車率を75%と30%とすると、1台当たりの平均乗客数は都市部:315人、地方都市:126人となります。
次に、人口移動量を見積もります。10歳刻みに1500万人の人口がいると仮定し、それぞれの年代で都市部と地方都市部に人口を振り分けました。それぞれのグループに対して、通勤/通学で電車を使う人数の割合を仮定し、通勤/通学で電車を使う人数を計算すると、都市部:1975万人、地方都市:380万人となります。さらにその内、3分の2(67%)の人が朝7時~8時の間に移動すると仮定すると、都市部:1317万人、地方都市:253万人がラッシュ時に電車に乗っている事になります。平均電車乗車時間を30分と仮定すると、先ほど推定された人数の半数(都市部:658万人、地方都市:127万人)が7時30分時点で電車内にいる事になります。
先ほど1台当たりの平均乗客数は都市部:315人、地方都市:126人と計算されていますので、上記人数を電車に収容しておくために必要な車両数は次のようになります。
都市部:658万人÷315人=20,899台
地方都市:127万人÷126人=10,053台
日本の電車の車両数は、30,952台であると推定されました。
答え合わせ
最後に答え合わせをしてみます。
国交省のデータによりますと、平成17年における旅客車の車両数は、51,594台のようです。
推定値の方が4割程度低く推定されました。
理由を少し調べてみました。
実際には、整備中の車両などもあるため1割くらいは大目に見積もる必要がありそうです。また、電車の1車両あたりの最大キャパを今回420人と見積もっていますが、実際には、300人程度のようです。これら2つの要素を変更して再度見積もってみると、48,000台程度になるようです。
今回の推定では、最大キャパの見積もりが甘かったようです。
これまで行った推定結果に興味のある方はこちらからどうぞ
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