今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
本日のお題は、日本における「栄養ドリンクの市場規模」です。
ここには、最近増えている顆粒タイプの栄養剤も含む事にします。
どうでも良い情報ですが、私は栄養ドリンク家系で育ちました。
私の祖母は日課のようにリポビタンDを飲んでいた事を思い出します。
まさにリポビタンD中毒者であり、上客でした。
祖母の影響を受けたせいか、私の父もリポビタンD中毒者でした。
仕事を退職してからはストレスから解放されたのか、あまり飲んでいなそうです。
父の影響を受けて、私もユンケル中毒者になっていた時期があります。
中毒になっていた時期は、年間600時間くらいの残業で結構忙しかった頃です。
最近は体調に異変を感じた時に、飲むくらいの頻度に減っています。
栄養ドリンクは本当に効いているかどうか分かりませんが、
私にはとても身近な存在です。
余談はこれくらいにして、推定を行っていきます。
推定
推定の結論を先に示すと、栄養ドリンクの市場規模は、3348億円と推定されました。
今回は、栄養ドリンクの市場を大きく2つに分けて推定しています。
栄養ドリンクの市場規模 = 飲む頻度高い人の市場規模 + 飲む頻度低い人の市場規模
日本の人口を1.2億人として、100歳までの10歳刻みの各年齢層に均等割りつけすると、
1つの年齢層(10歳)あたり1,200万人です。
各年齢層について、2つの市場に分けてそれぞれ確認していきます。
頻度高い人(中毒気味に飲んでいる人)
各世代における人口比率を想定します。
20歳以下で中毒気味な人は少ないので、1%とします。
21歳から70歳までの世代は、働く世代で疲れている人も多いので10%とします。
71歳より上の世代は、働く世代よりは少なく5%とします。
飲む頻度については、平均2日に1回は飲むと想定し、15回/月とします。
このような想定において、飲む頻度の高い人向けには約14.5億本が販売される事になります。
1本当たりの単価を100円と想定すると、
飲む頻度が高い人の市場規模は1445億円と推定されます。
頻度低い人(風邪や極度の疲労時に飲む人)
こちらも同様に、各世代における人口比率を想定します。
20歳以下で風邪の時に栄養ドリンクを飲む人が30%いるとします。
21歳より上の世代は、風邪と極度の疲労時に栄養ドリンクを飲む人が50%いるとします。
飲む頻度については、1ヶ月当たり平均1.5回極度の疲労を感じ、また風邪を0.5回引くと仮定して、2回/月の飲む頻度とします。
このような想定において、飲む頻度が低い人向けには約13.3億本が販売される事になります。
たまにしか飲まないので、1本当たりの単価を高めの150円と想定すると、
飲む頻度が高い人の市場規模は約1900億円と推定されます。
合計
以上の結果から、2つの市場規模を合計しますと、
栄養ドリンクの市場規模は、3348億円と推定されます。
答え合わせ
栄養ドリンクの市場規模について調査すると、朝日新聞の記事によるが出てきました。
それによりますと、
調査会社のインテージによると、
2016年の栄養ドリンク剤の市場規模は1774億円。
ピークの2001年からは3割以上の減少。
だそうです。
「栄養ドリンクで疲労回復しながら、夜遅くまで働く」という働き方からの変化も、減少の一因として指摘されているようです。
仮に、顆粒の栄養剤の市場規模が10%程度あると仮定すると、
推定した範囲と同じ栄養ドリンク&顆粒の市場規模は約2000億円弱になると思われます。
こちらでの推定結果は3348億円だったので、7割ほど大き目に見積もってしまったようです。
実際の世界では、下記点をもう少し精査する必要があるかもしれません。
・各世代の人口比率を適切に設定する事
・働き方の意識変化によって若者の飲む比率が低い事
・自動化が進み、残業をしなくても良い世の中になりつつある事
栄養ドリンク業界の人は、商売の大きさに影響するという観点からは、働き方改革が進んで欲しくないという事ですね。
栄養ドリンク業界を盛り上げるためには、疲労とは別のジャンルの需要を開拓する必要がありそうです。
眠気さましドリンクや、美肌ドリンクはその一環という事なんでしょうね。
「一時的に記憶の呼び出し力が上がるドリンク!」のような夢のドリンクが開発されれば、テストや受験をする若者世代に受けるでしょうし、私も欲しいです。
これまで行った推定結果に興味のある方はこちらからどうぞ
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