今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
本日のお題は、日本における「米農家の人口」です。
ここには、兼業農家の人も含みます。
前回は、お米の市場規模を推定しました。
今回は、その数値を元にざっくりと推定を行います。
推定
推定の結論を先に示すと、日本の米農家の人口は、29.0万人と推定されました。
農家の人数は下記の関係で求めます。
米農家の人数 = (米農家の売上高 – 経費) ÷ 米農家の年収
それぞれの項目について推定していきます。
米農家の売上高
調査会社が公表している米の市場規模は、「米飯市場規模(小売金額ベース)は、2兆3,708億円」となっています。
消費者に届くまでに、スーパーと農協が中間マージンを取っていると考えます。
スーパーの中間マージンを30%と仮定すると、
農協の売上は、1兆6,596億円となります。
農協の中間マージンを30%と仮定すると、
米農家の売上は、1兆1,617億円となります。
米農家の経費
米農家は、米農家の売上の中で経費(農機具や土地代やその他経費)と自分の収入をやりくりする必要があります。
仮に米農家の売上高経費率を30%とすると、
米農家の経費は、3,485億円となります。
米農家の年収
専業農家の米による収入は、400万円であると仮定します。
一方、兼業農家の米による収入は150万円だと仮定します。
専業農家と兼業農家の比率が半分ずつだとすれば、
米農家の平均収入は、約280万円となります。
米農家の人口
米農家の人口 = (米農家の売上高 – 経費) ÷ 米農家の年収
という関係に上で推定した値を当てはめます。
米農家の人数 = (1兆1,617億円 - 3,485億円) ÷ 280万円
結果としては、米農家の人口は、29.0万人と推定されました。
答え合わせ
最後に答え合わせをしてみます。
農林水産省の「米をめぐる関係資料」によりますと、
販売目的で作付した農家数は、平成27年で93.9万戸
となります。
作付面積別の農家比率は、次のようになっています。
1ha以下:70.3%
1-3ha:22.2%
3-5ha:3.8%
5ha以上:3.7%
私の推定結果では、29.0万戸だったので、1/3程度で小さく見積もっていたようです。
原因は、農家の平均年収を280万円と見積もった事が主要因と思われます。
1haあたりの米の収穫量は、5000kgくらいのようです。
仮に農家にとっての売上単価が200円/kgとすれば、1haで100万円の売上になります。
作付面積1ha以下の農家が70%という事なので、米農家全体での平均年収も100万円前後になるのではないかと思います。
仮に、平均年収100万円だとした場合には、
農家の人数は81.0万戸程度まで引き上がるようです。
兼業農家が多いという事なのでしょうね。
これまで行った推定結果に興味のある方はこちらからどうぞ
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