ビールの市場規模は?_推定25

フェルミ推定

今日も頭の体操を兼ねてフェルミ推定を行います。
本日のお題は、日本における「ビールの市場規模」です。
※ここには発泡酒も含みます。

 

私の場合、家で飲むのは発泡酒が多いのですが、増税される説が出ているので残念だなーと思います。
企業努力によって売上を増やそうとしても、ルール自体が変わると競争はリセットされます。
開発担当の人たちは複雑な心境でしょうね。

制約条件があるからこそ工夫が生まれるわけですが、社会のルール変更によってその工夫が無に帰する事もあります。
一方、新たなルールが新たな工夫が生むきっかけにもなります。

発泡酒の増税からは、そんな社会のルール変化の一端が見えてくるような気がします。

それでは、推定を行っていきます。

 

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推定

推定の結論を先に示すと、ビールの市場規模は、約2.7兆円と推定されました。
但し、ここには酒税や飲食店の利益や経費も含まれます。

今回は、ビールの市場を大きく二つに分けています。

ビールの市場規模 = 家で飲む市場規模 + お店で飲む市場規模

 

日本の人口を約1.26億人として、各年齢層の人口は2015年の実績値を使用しています。
各年齢層に対して、各パラメータを想定していきます。

各年齢層について、2つの市場に分けてそれぞれ確認していきます。

家で飲むビールの市場規模

各世代について、晩酌をする人口比率を想定します。
19歳以下は0%とします。
20歳から69歳までの世代は、40%とします。内訳は男性が30%(男性50%の6割)、女性が10%(女性50%の2割)くらいのイメージです。
70歳より上の世代は30%以下とします。

年間の晩酌回数を想定します。
20歳から69歳までの世代は、年間平均150回とします。飲む人はほぼ毎日で300回近いと思いますが、たまにしか飲まない人は月数回程度だ思いますので、中間の150回としました。
70歳より上の世代はざっくり回数を減らしています。

1回あたりのビール量を想定します。
20歳から69歳までの世代は、平均0.5ℓとします。平均1.5缶というイメージです。
70歳より上の世代は、平均0.3ℓとします。

このような想定において、ビールの年間消費量は2,575(百万ℓ)となります。

仮に、1ℓ当たりの単価を発泡酒とビールの中間くらいの430円と想定する(350ml缶1本当たり150円)と、家で飲むビールの市場規模は約1.1兆円と推定されます。

店で飲むビールの市場規模

各世代について、お店に行ったときにお酒を飲む人口比率を想定します。
19歳以下は0%とします。
20歳から69歳までの世代は、80%とします。基本的には飲み会に行く人のほとんどがお酒を飲む想定です。
70歳より上の世代は10%ずつ比率を減少させます。

年間でお店でに行く回数を想定します。(定食屋ではなく、飲み屋です。)
20歳から69歳までの世代は、年間平均24回とします。これは、毎月2回ほど飲み会に行く想定です。
70歳より上の世代はざっくり回数を減らしています。

1回あたりのビール量を想定します。
家で飲むときよりもお店で飲む方が量が多くなると思うので、どの世代も家で飲むときの2倍程度の量としています。

このような想定において、ビールの年間消費量は1,570(百万ℓ)となります。

仮に、1ℓ当たりの単価を1000円と想定する(500ml当たり500円)と、店で飲むビールの市場規模は約1.6兆円と推定されます。

合計

以上、二つの市場規模を合計すると、

ビールの市場規模 =2.7兆円 (家で飲む市場規模 + お店で飲む市場規模)

 

と推定されました。

 

答え合わせ

最後に答え合わせをします。
ビールの市場規模そのものを探すことが出来なかったのでいくつかのデータから推定します。

国税庁の「酒のしおり」によりますと、

平成27年の酒類の総消費量は、8,476千kℓ。
そのうち、ビールの消費量は2,666千kℓ。発泡酒の消費量は751千kℓ。
(ビール&発泡酒で3,417千kℓ)

のようです。

また、矢野経済研究所のプレスリリースによりますと、

2016年の酒類総市場規模は、3兆5,738億円の見込み。
※メーカー出荷金額ベース

とあります。

これらのデータから、メーカー出荷ベースでのビールと発泡酒の市場規模を概算します。
酒類の総消費量に占めるビール&発泡酒の割合は、容積比率で約40%です。

その比率を市場規模見込み金額にかけると、約1兆4000億円となります。

消費者に届くまでに様々なマージンと税金で50%ほど仮に上乗せされると考えると、消費者ベースでの市場規模は、2.6兆円ほどになるのではないだろうか?

 

今回こちらの推定した市場規模は2.7兆円だったので、概ね近い値を推定したようです

ただ、細かい部分を見てみると、こちらでのビールの消費量は4,145千kℓだったのに対して、実際の消費量は3,417千kℓという事なので、推定では少し大目に見積もった事になります。

 

今後ビール業界が発展していくためには、ビールの単価を上げるか、酒に占めるビールのプレゼンスを挙げていく必要がありそうですね。

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